ものづくり補助金は個人事業主も対象?申請要件や必要書類を解説

ホジョル編集部 · 公開

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者だけではなく、要件を満たせば個人事業主も申請できる制度です。ただし対象になるかどうかや満たすべき要件は、公募回や制度の内容によって異なります。この記事では、個人事業主がものづくり補助金の対象になるのか、申請にあたって満たすべき要件、申請枠と補助率・補助上限額の考え方、必要になる書類、申請から採択・受給までの流れを解説します。開業して間もない方や他の補助金との併用を検討している方が疑問に感じやすい点についても、FAQで取り上げます。制度の詳細や最新の公募要領は、中小企業庁やものづくり補助金事務局の公式情報で確認することをおすすめします。

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ものづくり補助金は個人事業主も対象か

ものづくり補助金は、中小企業者を対象とした設備投資や試作品開発を支援する制度です。中小企業者には法人だけではなく個人事業主も含まれます。ただし対象になるかどうかは、業種ごとの規模要件や事業の実施状況によって変わります。

ここでは、個人事業主が対象になるための要件、法人との違い、開業前・開業直後の扱いという3つの観点から整理します。制度の詳細は年度・公募回により改定されるため、応募前に必ず公式の公募要領を確認してください。

対象となる事業者の要件

ものづくり補助金でいう中小企業者とは、中小企業基本法などに基づく業種別の規模区分を満たす事業者を指します。法人の場合は資本金と従業員数のいずれかで判定されますが、個人事業主には資本金という概念がないため、常用従業員数で判定されるのが一般的です。

業種によって従業員数の上限は異なります。目安は次のとおりです。

業種常用従業員数の目安
製造業・建設業・運輸業など300人以下
卸売業100人以下
サービス業100人以下
小売業50人以下

※上記は中小企業者の一般的な区分の目安であり、公募回ごとに細目が定められる場合があります。従業員数がこの範囲であっても、他の要件を満たさなければ対象外となることがあるため、最新の公募要領で確認してください。

法人と個人事業主で異なる点

個人事業主が申請する場合、法人と比べて提出書類の種類が異なります。法人が登記事項証明書や決算書を提出するのに対し、個人事業主は開業届の写しや確定申告書の写しなどで事業実態を示す点が特徴です。

主な違いは次のように整理できます。

提出書類の具体的な様式や名称は公募回によって変更されることがあるため、申請の直前に公募要領の様式一覧を確認しておくと手続きがスムーズです。消費税の課税事業者・免税事業者の別によって補助対象経費の扱いが変わる場合もあるため、あわせて確認しておくと安心です。

開業前・開業直後でも申請できるか

開業前、つまりこれから事業を始める予定の段階では、ものづくり補助金の対象とされないのが一般的です。補助金の多くは、既に事業を営んでいる中小企業者や個人事業主を対象としており、開業届を提出し事業を開始していることが前提になる場合が多いとされます。

開業直後の場合は、開業届の提出をもって申請できる可能性がありますが、確定申告の実績が少ないことから、事業計画の実現可能性や資金調達の見通しについて、より詳しい説明を求められることがあります。過去の確定申告書の提出を求められる場合、開業間もない事業者は代替書類での対応となることもあります。

これから開業を予定している人が設備投資を検討する場合は、ものづくり補助金以外にも創業期を対象とした補助金や制度が存在します。自分の事業段階でどの制度が対象になるかは、中小企業庁や各都道府県の相談窓口、J-Net21などの公的な情報源で確認することをおすすめします。

個人事業主が満たすべき申請要件

ものづくり補助金は、法人だけではなく個人事業主も申請対象とされています。ただし対象となるかどうかは事業形態の違いだけで決まるものではなく、従業員数や業種区分による中小企業者・小規模事業者の該当性、事業計画の内容、賃上げなど付帯的な要件への対応状況といった複数の条件を満たす必要があります。

以下では、個人事業主が申請時に特に確認しておきたい3つの観点を順に見ていきます。いずれも公募回や年度によって細部の扱いが変わり得るため、応募の際は必ず最新の公募要領で確認してください。

従業員数・業種区分の考え方

中小企業向け補助金の多くは、中小企業基本法に基づく業種区分ごとの従業員数・資本金の基準で対象範囲を定めています。個人事業主には資本金という概念がないため、判定は主に従業員数で行われるのが一般的です。

業種によって基準となる従業員数の上限は異なります。目安は次のとおりです。

業種区分従業員数の目安
製造業・建設業・運輸業その他300人以下
卸売業100人以下
サービス業100人以下
小売業50人以下

※上記は中小企業基本法上の一般的な目安であり、ものづくり補助金独自の定義や小規模事業者の区分が別途設けられている場合があります。従業員がいない個人事業主も対象に含まれるかどうかは公募回によって記載が異なることがあるため、断定はせず公募要領の該当箇所を確認しましょう。

事業計画に求められる要素

申請には事業計画書の提出が求められます。個人事業主であっても、法人と同様に取り組む設備投資やサービス開発の内容を具体的に説明する必要があります。

事業計画書に一般的に求められる要素には、次のようなものがあります。

個人事業主の場合、法人に比べて添付書類の様式が異なることがあります。たとえば決算書に代えて確定申告書の写しを求められる場合があり、直近の事業実績が十分でない開業間もない事業者では、計画の記載方法について公募要領の案内に沿って準備する必要があります。数値目標の水準や必須の記載項目は公募回により変わるため、具体的な基準は公募要領で確認してください。

賃上げなど付帯要件の扱い

ものづくり補助金では、事業計画の内容に加えて賃上げに関する要件が設けられる場合があります。給与支給総額の引き上げ目標や、事業場内最低賃金の引き上げに関する目標が求められることがあり、加点項目として扱われる場合と必須要件として扱われる場合の両方があり得ます。

個人事業主で従業員を雇用していない場合と、従業員を雇用している場合とでは、賃上げ要件の適用のされ方が異なることがあります。従業員がいない場合は要件自体の対象外となる、あるいは別の基準に置き換わるといった扱いがあり得るため、いずれの場合も自分の状況が要件上どう位置づけられるかを個別に確認する必要があります。

賃上げ目標を計画に盛り込んで採択された場合、目標未達のときに補助金の一部返還など何らかの取り扱いが生じることがあります。付帯要件の有無や内容、未達時の扱いは公募回によって変わるため、確実な情報は必ず該当回の公募要領で確認してください。

申請枠と補助率・補助上限額の考え方

ものづくり補助金は、単一の制度ではなく複数の申請枠で構成されています。枠ごとに、対象となる取り組みや補助率補助上限額の考え方が異なります。

個人事業主であっても、要件を満たせば多くの申請枠への応募が可能です。ただし枠ごとの要件は公募回により変わるため、応募前に該当する枠の要件を確認しておく必要があります。

主な申請枠の種類

ものづくり補助金には、通常枠のほかに、賃上げや省力化投資、デジタル化、海外展開といった特定の政策目的に対応した特別枠が設けられることがあります。どの枠が実施されるか、また枠の名称や内容は公募回ごとに見直されます。

枠によって、対象となる設備投資の内容や賃上げ計画の有無といった加点・要件が異なります。個人事業主も、要件を満たせば各枠に申請できる場合がありますが、枠ごとの詳細な対象条件は公募要領で個別に確認してください。

特別枠は、年度や公募回によって新設・終了・名称変更が行われてきました。応募時点で実施されている枠の一覧は、必ず最新の公募要領で確認してください。

補助率の目安

補助率とは、事業に要した経費のうち補助金として支給される割合です。ものづくり補助金では、事業者の規模区分によって補助率が異なる設計が一般的です。

小規模事業者や個人事業主は、中小企業(法人)より高い補助率が設定される場合があります。一方で、同じ枠であっても賃上げ実施の有無など追加要件によって補助率が変動する場合もあります。

事業者区分補助率の傾向
小規模事業者・個人事業主中小企業より高めに設定される傾向
中小企業(小規模事業者以外の法人など)小規模事業者より低めに設定される傾向

上記は一般的な傾向であり、補助率は制度・年度・公募回・申請枠により異なります。実際の補助率は必ず該当回の公募要領で確認してください。

補助上限額の目安

補助上限額は、申請する枠や従業員数、賃上げ計画の有無などの条件によって段階的に設定されるのが一般的です。従業員数が多い事業者ほど、上限額が高く設定される傾向があります。

個人事業主は、従業員数が少ない、または従業員がいないケースが多いため、上限額の区分では小規模な階層が適用されやすくなります。従業員を雇用している場合は、雇用人数に応じて区分が変わることがあります。

特別枠を利用する場合や、複数の事業者が連携して申請する共同申請の場合には、上限額が通常枠より高く設定されることがあります。いずれの場合も、金額は年度・公募回により見直されるため、申請前に必ず最新の公募要領で上限額区分を確認してください。

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個人事業主の申請に必要な書類

ものづくり補助金の申請では、事業計画書を中心に複数の書類をそろえる必要があります。個人事業主は法人と異なり決算書を作成しないため、代わりとなる書類の準備方法を把握しておくと役立ちます。

必要書類は公募回や申請枠によって細部が変わることがあります。実際に申請する際は、必ずその回の公募要領で最新の一覧を確認してください。

事業計画書に記載する内容

事業計画書は、審査における中心的な書類です。導入する設備やシステムの内容、それによって実現する新製品・新サービス、既存事業との違いを具体的に記述します。

加えて、事業実施のスケジュールや収支計画、付加価値額や給与支給総額といった数値目標の記載を求められるのが一般的です。数値目標の算定根拠を具体的に示すほど、審査員に事業の実現可能性が伝わりやすくなります。

個人事業主の場合、事業の担い手が自分ひとりであることが多いため、実施体制や外注先との役割分担も明確に書いておくと、計画の実現性を説明しやすくなります。ただし記載項目や様式は公募回により変わるため、最新の様式を公式サイトで確認してください。

決算書・確定申告書に代わる書類

法人は直近の決算書の提出を求められるのが一般的ですが、個人事業主は決算書を作成しないため、代わりに確定申告書の写しを提出します。青色申告か白色申告かによって、添付する書類の構成が異なる場合があります。

青色申告の場合は青色申告決算書、白色申告の場合は収支内訳書が確定申告書に添付されているのが通常です。開業して間もなく確定申告の実績が少ない場合の扱いは制度により異なるため、公募要領の記載を確認するか、事務局に問い合わせることをおすすめします。

事業形態提出する書類の例
法人直近期の決算書一式(貸借対照表・損益計算書など)
個人事業主(青色申告)確定申告書の写し・青色申告決算書
個人事業主(白色申告)確定申告書の写し・収支内訳書

※提出書類の詳細は制度・公募回により異なります。表はあくまで目安として捉え、申請時は必ず該当回の公募要領で確認してください。

gBizIDなど事前準備が必要なもの

ものづくり補助金の申請は、電子申請システムを通じて行われるのが一般的です。利用にはGビズIDのアカウントが必要になる場合が多く、個人事業主も法人と同様に取得の対象です。

GビズIDにはいくつかの種類があり、補助金の電子申請に利用するアカウントは、発行までに書類審査や一定の日数を要することがあります。申請の締切間際に慌てないよう、公募が始まる前の早い段階で取得手続きを進めておくと安心です。

  • GビズIDプライムアカウント(またはそれに準ずるアカウント)の取得
  • 電子申請システムで利用する事業計画書などのデータ準備
  • 確定申告書など証憑書類の電子データ化

アカウントの種類や取得に必要な日数、対応する申請システムは変更されることがあります。最新の手続き方法は、GビズID公式サイトや中小企業庁・各補助金事務局の案内で確認してください。

申請から採択・受給までの流れ

ものづくり補助金は、申請すればすぐに補助金が振り込まれる制度ではありません。公募への応募から実際に補助金を受け取るまでには、審査・採択・交付申請・事業実施・実績報告といった複数の手続きが挟まります。個人事業主が法人と同じ枠組みで申請する場合も、この流れ自体は基本的に変わりません。

特に資金繰りの面では、補助金の性質を理解しないまま計画を立てると、事業の実施段階で資金がショートしかねません。ここでは公募のスケジュール感、採択後に必要な手続き、そして受給までの資金繰りで注意すべき点を順に整理します。

公募申請のスケジュール

ものづくり補助金は年度ごとに複数回の公募が実施されるのが一般的ですが、公募回数や公募期間、締切日は回によって異なります。公募開始から締切までの期間も一定ではなく、公募要領の公表後にスケジュールを確認する必要があります。

電子申請システム(GビズIDを用いた申請)の利用が前提となっている点も押さえておきましょう。GビズIDのアカウント取得には発行までに一定の日数がかかる場合があるため、公募締切の直前に用意し始めると申請自体が間に合わないおそれがあります。

  • 公募要領の公表(公募内容・対象要件・提出書類が明示される)
  • GビズIDの取得(未取得の場合は早めに準備)
  • 事業計画書など申請書類の作成
  • 電子申請システムでの提出(締切日時は厳格に管理される)

※公募回・年度により、公募期間や締切、必要書類の詳細は変わります。最新の情報は中小企業庁や公募事務局が公表する公募要領で必ず確認してください。

採択後の手続き

審査を通過し採択が決定しても、それだけで補助金が受け取れるわけではありません。採択はあくまで「補助対象として認められた」段階であり、その後に交付申請という手続きを経て、正式に補助金の交付が決定します。交付決定前に発注や契約を行った経費は、補助対象外となる場合があるため注意が必要です。

交付決定後は、事業計画に沿って設備投資やシステム開発などを実施し、期日までに実績報告書を提出します。実績報告の内容が審査され、補助対象経費として認められた金額をもとに補助金額が確定する流れです。計画どおりに進まなかった場合や、経費の使途が要件から外れる場合は、補助対象経費として認められないことがあります。

段階主な内容
採択審査を通過し、補助対象として認められた段階(補助金の交付は未確定)
交付決定交付申請の審査後、正式に補助金交付が決定(この後の発注・契約分が対象)
事業実施事業計画に沿って設備投資やシステム導入などを実施
実績報告・確定検査実施内容と経費を報告し、補助金額が確定

※各段階で必要な書類や審査基準、期限は公募回・制度により異なります。手続きの詳細は採択後に届く通知や公募要領で確認してください。

補助金受給までの資金繰りの注意点

ものづくり補助金は原則として後払い(精算払い)の制度です。事業者が先に設備投資や経費の支払いを行い、実績報告と確定検査を経てから補助金が振り込まれる仕組みのため、補助金の入金までに事業者自身が経費を立て替える必要があります。個人事業主の場合、法人に比べて手元資金や信用力に限りがあることも多く、この立て替え負担が資金繰りを圧迫する可能性があります。

立て替え資金を金融機関からの借入で賄う事業者も一定数いますが、借入の可否や条件は事業者の信用状況や金融機関の判断によるため、必ず借りられるとは限りません。日本政策金融公庫信用保証協会の制度融資など、補助金の実施段階をつなぐ資金調達の選択肢を早めに確認しておくと安心です。

また実績報告で認められる経費額が、当初の事業計画より減額される場合もあります。補助金額は確定検査を経て確定するものであり、申請時の想定額が満額支払われるとは限らない点も踏まえて、資金計画には余裕を持たせておく必要があります。

よくある質問

個人事業主でも採択されやすい?

個人事業主だからという理由だけで採択されやすくなったり、不利になったりするとは言い切れません。採択は事業計画の内容や審査基準への適合度によって判断されます。具体的な採択基準や難易度は公募回により異なるため、詳細は中小企業庁やものづくり補助金事務局が公表する公募要領や採択結果を確認することをおすすめします。

開業したばかりでも申請できる?

開業して間もない場合でも、申請自体は可能なケースがあります。ただし事業実績や直近の決算状況などが審査で確認されることもあり、開業時期によって求められる書類や条件が変わる場合があります。開業したばかりの方が対象になるかどうかは、公募要領の応募資格や必要書類の項目で確認しておくと安心です。

他の補助金と併用できる?

他の補助金や助成金との併用は、制度の組み合わせや対象経費の重複の有無によって扱いが異なります。同一の経費に対して複数の補助金を重ねて受け取ることが制限される場合もあるため、一律に可否を判断することはできません。併用を検討する場合は、各制度の公募要領や窓口へ事前に確認することをおすすめします。

不採択の場合再申請できる?

不採択になった場合でも、次回以降の公募回に再度申請できることが一般的です。ただし再申請にあたっては、事業計画の見直しや前回の審査結果を踏まえた改善が求められることもあります。再申請の可否や条件は公募回によって変わることがあるため、最新の公募要領で確認しておくと安心です。

本記事は一般的な情報をまとめた解説であり、個別の制度の要件・金額・締切や税務上の取扱いは制度・状況により異なります。実際の申請・判断にあたっては、各制度の公式ページや税理士・所轄税務署等でご確認ください。 最終更新:

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